中小企業共通EDIとは?概要や導入のメリット、誕生の背景などを解説!

こんにちは!ライターのえつこです。

こんにちは!ライターのえつこです。

最近、涼しくなりました。秋が近づいていますね。

服装に困る時期ですが、天気予報を確認することで体調管理に気を付けていきましょう!

今回のブログテーマは「中小企業共通EDI」です。

現在、弊社では「中小企業共通EDI」の普及を進めています。この記事では中小企業共通EDIの概要や導入のメリット、中小企業共通EDI誕生の経緯などをご紹介します。受発注・経理業務のDXを進めている企業様や、EDIの導入を検討している企業様は是非最後までご覧ください。

 中小企業共通EDIとは?

中小企業共通EDIとは、中小企業様向けに開発された 簡単・便利・低コストに受発注業務の IT 化を実現できる汎用性の高い仕組みです。平成28年度中小企業庁事業「次世代企業間データ連携調査事業」により策定され、その効果が実証されました。中小企業共通EDIは、国連CEFACTの業界横断EDI辞書に準拠しています。国連CEFACTを使用することで、これまで企業間で異っていた取引データにおける項目・フォーマットを共通化します。

 中小企業共通EDI誕生の背景

社会全体として書類の電子化、つまりペーパーレスが叫ばれています。しかし、中小企業の受発注業務は、いまだにFAX・紙伝票を利用しており、業務のIT化はIT人材不足・多画面問題などでハードルが高いという状況です。そこで、中小企業庁は平成28年度経営力向上・IT基盤整備支援事業(次世代企業間データ連携調査事業)を行いました。この事業は、中小企業がEDIを活用したビジネスの基盤づくりを目的としています。12地域・業界を選定して、業界・業種・地域を越えてEDI連携が出来るように企業間ビジネスデータ連携基盤について実証事業を行いました。結果として、受発注企業ともに約50%程度の業務時間削減効果が見られることを確認出来ました。データ連携には国連CEFACTに準拠した共通辞書を使用しました。

引用:中小企業庁:中小企業共通EDI

この結果をもとに策定されたのが中小企業共通EDIです。中小企業共通EDIに対応したITツールには「共通EDIプロパイダ」、「レベル2業務アプリ」、「レベル1業務アプリ」、「連携補完アプリ」があります。それぞれの用途をご説明します。

共通EDIプロパイダ

企業間で取引情報をインターネット経由で交換するための仕組み・サービスです。自社で使用している基幹システム・アプリケーションを連携することで取引情報のやり取りが可能となります。

レベル2業務アプリ

共通EDI標準が規定する相互連携性仕様を実装している業務アプリ、または共通EDIプロバイダと業務アプリを併設する複合型EDIサービスです。

レベル1業務アプリ

共通EDI標準が規定する相互連携性仕様を連携補完手段と組み合わせることで満たす業務アプリです。
連携補完手段は、共通EDIプロバイダまたは連携補完アプリが提供する補完機能を使用することです。

連携補完アプリ

レベル1業務アプリが相互連携性仕様を満たすための手段を提供する補完アプリです。


共通EDIプロパイダと業務アプリ、連携補完アプリを組み合わせることで注文情報や出荷情報を一気通貫に連携することが出来ます。中小企業共通EDIの活用方法につきまして、ご質問がございましたらお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら


政府は中小企業の成長戦略として中小企業共通EDIの利用を薦めています。令和2年7月17日に開かれた未来投資会議にて、成長戦略案が提出され、臨時閣議で閣議決定されました。成長戦略フォローアップ案にて以下の方針が示されました。(中小企業共通EDI関連一部抜粋)

④ 中小企業・小規模事業者の生産性向上のためのデジタル実装支援等
・企業間取引の電子化による利益を最も受ける親事業者が2次下請以下の企業を含めたサプライチェーン全体の企業に対して、中小企業共通電子データ交換(EDI)や金融界も推進する全銀 EDI の利活用といった取引電子化による生産性向上を支援するよう、改訂された下請振興法の「振興基準」に基づき所管省庁が促す。

成長戦略フォローアップ 112ページ


令和2年9月15日に経団連は、中小企業共通EDIを大企業から中小企業に導入を促すことや、大企業自社システムとの接続を推奨する報告書を発表しました。

政府や経団連のお墨付きである仕組みならば安心して導入を検討出来ますね!

 中小企業共通EDIの導入メリット

中小企業共通EDIの導入メリットをご紹介します。

1.業界・業種・地域を問わずに繋がるを実現

一般的に、個別EDIや標準EDI、業界VANは特定の企業や業界間でしか使用することが出来ません。しかし、中小企業共通EDIは業種・業界を越えて情報の連携が出来ることを目的として共通EDI項目を策定しています。そのため、業種や業界が異なった場合においても、中小企業共通EDIを互いに使用していれば、EDI情報で取り引きが可能になります。

2.全銀EDIシステム「ZEDI」の活用

ZEDIとは、日本国内の企業間決済における総合振込及び、それに係る振込通知、入出金取引明細通知などの情報を拡張性に優れたXML形式の電文で送信できるようにするためのプラットフォームです。ZEDIはXML電文方式を採用していることにより、支払企業は支払いや請求に関する金融情報に、注文や出荷、検収に関する取引情報も添付してEDIデータを送信することが出来ます。中小企業庁は平成29年度中小企業・小規模事業者決済情報管理支援事業にて、中小企業共通EDIとZEDIと連携をすることで商流から金流までのデータの流れを一気通貫に行う仕組みを構築・検証しました。すると、結果として60%程度の業務負担削減の効果が証明されました。

参考:中小企業庁「中小企業共通EDI

ZEDIについては過去のコラムでも紹介しています!
ZEDIとは?概要や導入のメリット、誕生の背景などをご紹介します!

3.インボイス制度の対策

インボイス制度とは、所定の条件を記載した請求書や納品書を発行、保存するという制度です。共通EDI項目には、インボイス制度を活用するために必要な「インボイス制度の登録番号」「適用税率」「消費税等の額」が標準項目として備わっています。そのため、インボイス制度を利用する際に必要な項目を用いて、デジタルデータの交換が中小企業共通EDIで行うことが出来ます。

インボイス制度については過去のコラムでも紹介をしています!
インボイス制度とは?概要や導入後の影響、対応策について解説!

4.EDIとしてのメリットも

中小企業共通EDIは、一般的なEDIを利用する際のメリットも得ることが出来ます。EDIを活用することで、電話・FAX・メール等の人手を介した煩雑な作業を軽減することが出来ます。また、EDIプロパイダで受け取ったデータを業務アプリケーションにそのまま取り込むことが出来るので入力・転記ミスが無くなりデータの信頼性が向上します。インターネット回線で受発注業務が完結するので人件費や電話代・郵送代・用紙代の削減にも有効的です。

EDIについては過去のコラムでも紹介しています!
EDIとは?種類、問題点などを徹底解説!

5.多画面現象を解消できる

多画面現象とは、端末は1つだが、画面表示項目やレイアウト、画面遷移などは取引先ごとに個別であるため、運用に手間がかかることです。具体的に以下の問題が挙げられます。
①取引先ごとの画面切り替えの手間、パスワードの氾濫
②社内システムにデータを取り込めないことによる再入力の手間
③取引先ごと、IDごとの課金による利用料の発生

中小企業共通EDIは多画面問題を解消するために、業界横断型の標準EDIとして普及を進めています。中小企業共通EDIに対応した業務アプリケーションと共通EDIプロパイダを導入することで、シングルウィンドウ、シングルインタフェースを実現しましょう。

弊社製品のEDIサービス「EcoChange」は、中小企業共通EDIに準拠しています!

 EcoChangeと中小企業共通EDI

弊社のEDIサービス「EcoChange」は中小企業共通EDIの共通EDIプロパイダに認定されています。
中小企業共通EDIは国連CEFACTに準拠した辞書項目を用いて、データ変換を行います。そのため、業種・業界を問わずにデータ連携をすることが出来ます。

また、EcoChangeは中小企業共通EDIに認定されている共通EDIプロパイダの中で連携が実証されている業務アプリケーションの数が最も多いです。これは、EcoChangeが中小企業共通EDI標準のリファレンスモデルであるためです。弊社は共通EDI標準の仕様検討グループにも参画しています。

 ≫ 中小企業共通EDIに認定されている共通プロパイダの一覧はこちら(ITCA協会のサイトに遷移します)


業務アプリケーションとのデータマッピング情報を取得済みなので、データ項目に関する要件定義の時間・コストを省くことが出来ます。
しかし、自社独自の基幹システムとの連携も可能です。お気軽にお問い合わせください。

この度「中小企業白書2021」において、EcoChangeに関する記事が掲載されました。
宮地電機様のEcoChange導入事例や、中小企業共通EDIの概要が掲載されております。

● 中小企業白書2021 電子版https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2021/PDF/chusho/04Hakusyo_part2_chap2_web.pdf

EcoChangeに関する記事は、104・105ページに掲載されております。
ご興味がございます方は是非ご覧ください。

中小企業共通EDIの導入をお考えの方は、ぜひEcoChangeをご検討ください。
EcoChangeには他にも便利な機能がたくさんあります。

DX推進、ペーパーレスを目指す受発注・経理業務の社内システムの刷新をご検討の方はぜひお問い合わせください。資料のお取り寄せ・デモのご依頼もお待ちしております。
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